第零幕

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「どうしてだろう」 弥莎<ミサ>と琉姫<ルキ>がこんなにも仲良くなった理由は。 話は合った。馬が合ったからだけではないと思う。 弥莎には琉姫が幼い頃の自分に見えたのか、琉姫には弥莎が未来の自分に見えたのか、、、 そんな所だろうか…。 「赤来さん…おはよう」 「弥莎さんおはよう、あの……琉姫でいいよ?」 仲が良いはずなのに、何処と無く距離を感じる。 近いようで、遠い。 「…うん、解った琉姫。」 名前で呼ばれると、琉姫は綺麗な笑顔を作り、"はい!!"と答えた。 「なら、私も弥莎でいいよ」 「えっ…?弥莎……」 小学生らしい、会話をしていたら 高梨祐実<タカナシ ユミ>が話し掛けてきた。なまった口調で、県外の特徴をいかしながら。赤色に近い髪をしている。少しだけ長い髪に黒いの眼 「なんや、君ら可愛いな」 「何云ってるですか?」 「祐実くん!!」 弥莎の言葉に付け足すように、琉姫が云った。 どうやら、琉姫は高梨祐実を知っているらしい。 弥莎が、高梨を知らないのは当たり前なのだが、弥莎は少し悲しそうな顔をしていた。 「弥莎…コイツは高梨祐実女顔だからよく苛められてね、助けてあげたの…私が八雲学校に居た時」 「転校するって聞いてびっくりしたわ…あれから、色んな意味で苛められるし」 「はいはい。そこに、アンタに用がある男子が居るから行きなよ…」 琉姫は、見た。見てしまった。気のせいかも知れないがもしかしたら、もしかしたら、弥莎が悲しそうな顔をしているんだって…。 「…高梨くんだっけ?…あの子本当に、男なの?」 弥莎は言う。 "あんな、女顔を持っている男子なんていない。絶対に女だって" .
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