セン姫とユーザー

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※セン姫とユーザー 「桜……どこじゃ?」 「セン姫様どうなさったんですか?」 「おお、ユーザー。いいところに」 セン姫はすこし自分より背の高い私にしゃがむように、手で現す。 「実はカツ姫がいなくてな」 「カツ姫様が?」 「またさらわれたかと思ったが、これが置かれてあってな」 スッと差し出されたのは、『主従は障子を挟む』 と大人がかいたような達筆でかかれた紙だった。 「で、障子を開けてみたら」 これがあった、と二枚のカード、伊達政宗と片倉小十郎を見せる。 「つぎは『桜の下に魔王は眠る』なのじゃ」 「魔王……織田信長ですね」 「しかし、桜がわからなくての」 うーむ、と悩む姫様をよそに、私はキョロキョロとあたりを見回す。と、ピンクの花びらが風に乗ってきているのに気がついた。 「セン姫、あれ」 「桜じゃ!」 「行きましょう!」 桜は屋敷を出てすぐの神社に咲いていた。神社の巫女らしき女性が一枚のカードを持って、やってきた。 「これは、あなたたちのかしら?」 「そうじゃ!すまないのぉ!」 織田信長の名のかかれたカードを手渡され、セン姫はすぐに裏を見た。するとカードの裏側に紙が貼られていた。 「なになに、『裏切りは姫の衣に』……?」 「裏切り……明智光秀かな。姫というのはセン姫かカツ姫でしょう」 「なるほど!ユーザー冴えてるぞ!」
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