セン姫とユーザー

3/3
前へ
/3ページ
次へ
※セン姫とユーザー まずはじめにカツ姫様の自室に行ったが、何も変化はなく。はずれなのだとわかった。 次にセン姫様の自室へ向かおうとした、その時。扉の前でセン姫が私に問い掛けた。 「ゆ、ユーザーも入るのか?」 「?ええ」 「わらわ一人でも大丈夫じゃ、だからユーザーは……」 「この問いの答えがわかったんですか?」 「わ、わからぬ……」 何をそんなに拒んでいるのかがわからずに、入りましょうと急かすと。セン姫は観念したように扉に手をかける。 「見ても、何もいうなよ」 「?はい」 すーっと開かれたそこは…… 「汚ッ」 「なにもいうなといっただろ!」 あちこちにカードがばらまかれ、書きかけの書や、畳んでいない布団などがぐちゃッとまとまりなく散らばっていた。 「こ、衣はえーっとなー」 「姫……」 「るさい!おおっあったあった」 脱ぎ捨てられた衣を指差して姫様は私を振り向く。 「ん、?」 私は衣がすこしうごているのに気がついた。姫様は気づいていない様子だったので、ぐいっと衣もめくってみた。 「きゃ!」 するとそこには明智光秀のカードを手に握ったカツ姫様がいた。眠っていたらしく、焦点が合わない目を擦り瞬きをした。 「ユーザー……?」 「カーツー?」 「ひっ姉様!」 そのあとカツ姫様はセン姫様にこってり叱られた。なんでも自分もカードで遊びたかったのだが、いざ借りてみたら返しにくくなり、こんな宝探しをさせたのだという。 「カツ姫様無事でよかったですね」 「まったく、心配して損したぞ」 「私は、結構たのしかったですよ」 にこっと笑顔でいうと、姫様はすこし顔を赤くして 「それもそうじゃな」 とつぶやいた。image=410711332.jpg
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加