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※セン姫とユーザー
まずはじめにカツ姫様の自室に行ったが、何も変化はなく。はずれなのだとわかった。
次にセン姫様の自室へ向かおうとした、その時。扉の前でセン姫が私に問い掛けた。
「ゆ、ユーザーも入るのか?」
「?ええ」
「わらわ一人でも大丈夫じゃ、だからユーザーは……」
「この問いの答えがわかったんですか?」
「わ、わからぬ……」
何をそんなに拒んでいるのかがわからずに、入りましょうと急かすと。セン姫は観念したように扉に手をかける。
「見ても、何もいうなよ」
「?はい」
すーっと開かれたそこは……
「汚ッ」
「なにもいうなといっただろ!」
あちこちにカードがばらまかれ、書きかけの書や、畳んでいない布団などがぐちゃッとまとまりなく散らばっていた。
「こ、衣はえーっとなー」
「姫……」
「るさい!おおっあったあった」
脱ぎ捨てられた衣を指差して姫様は私を振り向く。
「ん、?」
私は衣がすこしうごているのに気がついた。姫様は気づいていない様子だったので、ぐいっと衣もめくってみた。
「きゃ!」
するとそこには明智光秀のカードを手に握ったカツ姫様がいた。眠っていたらしく、焦点が合わない目を擦り瞬きをした。
「ユーザー……?」
「カーツー?」
「ひっ姉様!」
そのあとカツ姫様はセン姫様にこってり叱られた。なんでも自分もカードで遊びたかったのだが、いざ借りてみたら返しにくくなり、こんな宝探しをさせたのだという。
「カツ姫様無事でよかったですね」
「まったく、心配して損したぞ」
「私は、結構たのしかったですよ」
にこっと笑顔でいうと、姫様はすこし顔を赤くして
「それもそうじゃな」
とつぶやいた。
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