第四章 【私達が歩く道】

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「わかってないなぁ。 デビューしてからじゃあ遅いんだよ。 君達4人は自分達がどれだけ目立ってるか気づいていないよね」 内山さんは笑った。 「確かにあの3人は目立つと思うけど…」 「君も十分目立ってるよ。 デビューしてから色んな噂が出てきても困るからね」 「はい」 内山さんと話していると、やっぱり気になる…。 陸とタトゥーを入れた店……。 彫ったタトゥーの写真を…っていうのは断ったけど、私達の顔は覚えているかもしれない…。 なんだか怖くなってきた。 「桜井さーん」 待合室で名前を呼ばれて診察室に入る。 「どうしました? 痛みますか?」 「痛み止の注射をお願いします」 私は担当医を見た。 「そんなに痛いのかい?」 「……大事なバイトがあって…今のままだと働けないから…」 まさか高校生が仕事とは言えない。 「あまり無理すると長引くよ?」 「良いんです!! お願いします!! 打って下さい」 「う~ん。 賛成はできないけど、バイトをしてて痛いのも辛いだろうし、今回だけだよ?」 今回だけ…どうしよう…。 ボイトレはしばらく続きそうなのに…。 でも4人の夢のため。 何とかなる!! 「お願いします」 私は注射をしてもらい内山さんが待つ待合室に戻った。
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