第一章 【居場所】

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ドキッ…。 「ありがとう」 「ほら、行くぞ」 「うん!!」 陸の後ろを少し小走りで歩く。 「私、友達と買い物に行くのなんて久しぶり!! ハァ。 凄く楽しみ!! ハァ」 くるりと陸が振り返る。 「歩くの早いなら言えよ。 まぁ…気付かなかった俺も悪いけど…。 俺達に遠慮はするな? 言いたいことは言え。 辛いことも言え」 「うん…」 「俺はさ、健斗や亮みたいに穏やかじゃない。 すぐキレるし大きな声出すし…。 でも、それって大事なヤツに対してだけだから。 どうでも良いことにはキレないから…。 そういうのも…知っていって欲しいな…って」 私は小さく笑った。 「何だよ!!」 「陸って自分のこと話すの苦手でしょう? 凄く照れ臭そう」 私はまた笑った。 「良いから行くぞ!!」 「はーい」 今度はちゃんと横を歩いてくれる。 陸も優しいんじゃん。 「陸!!」 「ん?」 カシャッ!! 「なんだよ、突然」 「売るの」 私は笑った。 「はっ?」 「嘘だよ。 でも売れるんだろうね…。 陸も亮も健斗もカッコイイもんね」 「知らねぇ」 「自分達がどれだけ人気があるか知らないの?」 「別に…のあが見かけは関係ないって言うように、俺達も歌と音で勝負してるから」
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