第一章 【居場所】

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亮が私の顔を覗き込む。 「あの…今まで着たことのない感じだから…ちょっとビックリして…」 悪いことしたなぁ…。 「まだ歩けるか?」 「うん。 大丈夫」 「のあの好きな服を買おう? 自分の似合う服は自分がわかってるだろ?」 そうだけど…そうしたら亮の立場が無い。 「了解!! 今日はとことん付き合うよ」 亮は笑顔を見せてくれた。 「ありがとう」 「まず、雑誌見るか?」 「うん!! 見たい!!」 私達は雑誌を数冊買ってファーストフード店に入る。 陸と私はコーヒー。 亮はストロベリーシェークを頼んだ。 「ホント甘い物好きだよね!?」 「3食甘い物でも良いよ」 亮は幸せそうにシェークを飲む。 そうだ!! 次のライブが誕生日だって言ってたよね…? 私は亮のためにケーキを作ることを決めた。 コーヒーを飲みながら雑誌を捲る。 「これ…」 2人を見ると腕組みしながら眠っている。 徹夜で私のCDの収録してくれてたもんね…。 疲れてるんだ…。 私は置き手紙をして静かに店を出た。 そしてさっきの高梨さんの店に向かう。 「ねぇ? 1人? ちょっと時間あるかな?」 相変わらずキャッチがウザイ。
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