第二章 【自分との闘い】

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「ヤベッ!! 遅刻するよ!!」 亮の声で目を覚ました。 「ホントだ!!」 私は慌てて荷物をまとめる。 「俺、これ以上単位落としたらヤバイんだ!!」 「陸、また留年すんなよ?」 健斗は笑う。 結局、着替えた私を健斗がバイクで学校まで送ってくれた。 私が1番家が離れてるから。 そして校門の前でバイクを降りる。 久しぶりに出した、丈の短い制服のスカート。 「メガネもみつ編みも良いの?」 健斗が優しく聞いてくれる。 「うん。 3人が勇気をくれたから!!」 私は笑顔で髪を耳にかけて星のピアスを見せた。 「そうか。 学校でのことは俺は守ってやれないけど、話はいつでも聞くから」 「うん。 ありがとう」 チュッ!! えっ!? 「キャーッ!!」 周りから悲鳴が聞こえた。 健斗が私の額にキスしたから。 「shooting starの健斗だよね!?」 「あの女だれ!?」 そんな声が聞こえる。 「勇気が出るおまじない」 健斗は笑った。 きっと私の顔は真っ赤だ。 「ありがとう」 「朝っぱらから学校の前で何してんだ」 げっ!! 陸!! 見られた!? 見られたよね!? 「健ちゃん!! 抜け駆けはズルいよ~!!」 亮!!「じゃあ、行っておいで」 健斗は2人を気にせず私の頭を撫でた。 「行くぞ、のあ」 陸も亮も不機嫌だ。 笑顔で手を振る健斗に見送られて、私は本当の私の姿で校門をくぐった。
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