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『…はい』
「真由です」
『何?』
さっきまでの事が無かったかのような冷たい声。
「あの、定期入れの中に生徒手帳が…」
『あぁ、調度今無くして困ってたんだよ』
…嘘だ。
笑いを堪えながら言う翔に電話した事を後悔した。
「どうすればいいの?」
『明日、店まで来て』
「え?」
『できれば今日と同じ時間で』
「夕方?」
『違う。7時』
「な、まさか…。また掃除手伝わす気?」
『今度は俺がお礼してやるから。じゃあ明日来いよ』
翔はそう言って私の返事を聞かずに一方的に電話を切った。
…何よ、もう。
私は切れた携帯を見つめて夜の帰り道を1人で帰った。
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