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「おい」
「え?」
「忘れ物は何?」
「…定期ですけど」
「あぁ、コレ?」
そう言って、定期を見せられて私は彼に近づいた。
「それです!良かった。」
私はそのまま定期を貰おうとすれば彼の腕が高く上がった。
「?」
「こんな所に電話番号書いてあったら…」
ウ゛ーウ゛ー
「?…もしもし」
『「ナンパ男から電話されるんじゃない?」』
と電話の向こうからとすぐ目の前からと同じ声が聞こえた。
「な、何でそれを…!」
「あんなでかい声、嫌でも聞こえんだろ」
と電話を切って見下ろすように笑った。
「だからって、電話…」
「勘違いすんなよ。落とし物に電話番号書いてあったから電話しようとしただけだし」
「そうですか。ありがとうございました」
ヤな奴。
勘違いするな。って、ただ聞いただけなのに。
「何?怒ってんの?」
「別に!あなたこそ、面白がってません?」
「翔」
「はい?」
ショウ?
「あなた、とか気持ち悪い」
「…はぁ。翔さんこそ、こんな事してる暇ないんでしょう?」
「何で?」
「お店の片付け…」
「それならいいよ。手伝ってくれるんだろ、真由」
「はい?何で私が…。しかも名前…」
「呼び捨てが気に食わない?」
そうですよ。
初めて会った人にいきなり呼び捨てされるのはあんまり好きじゃない。
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