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『東條よくやった』
天澤部長が小さく俺に言った
『東條さん?貴方と少し話したいわ 付き合ってくれる?』
『はい もちろんです』
予想外な展開に俺は立花さんに付き合ってワインを頂く事になった
目のはしで柚木が来たのを見つけたが…仕方ない
後で声をかければいい
そう簡単に考えていた
しかし そう簡単にいかないのが 癖のある立花さん
何故だか話してるだけで
どんどんと気に入られてしまい なかなか解放して貰える雰囲気ではない
上得意先に気に入られるのは悪い事ではないんだが…
『そのカフス素敵ね…もしかして翡翠じゃない?』
立花さんが俺のカフスに気付く
『ありがとうございます よくお分かりですね…翡翠です』
『大事な人からのプレゼント?』
カフスボタンは翡翠は翡翠でも そんなに価値のある物じゃない
単なる衝動買いしたアクセだった
『いえ 自分で買いました(笑)』
立花さんは ゆっくり頷く
『藤谷さんも そうだけど 背伸びせず自分に合った物を身に付ける男性のお洒落は私は好きよ』
立花さんは秘書に合図して封筒を俺に出す
『本当は…藤谷さん居ないし他の会社にしようとしたんだけど 東條さん気に入ったから この仕事 貴方にお願いするわ』
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