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『東条の所は新入社員入ってないんだっけ?』   川下は羨ましいそうに俺を見る   『派遣の一人は確か ゆとり世代だけど 普通だぞ?ゆとりだからって関係ないんじゃないか?個性だろ(笑)』   俺は短くなった煙草を消す   『それなら尚更 たち悪いんじゃねぇか…ウチの部署くじ運悪かったって事かよ…』   落ち込む川下の肩を叩く   『世代を受け止めるのは先輩の役目だろ 頑張れよっじゃあな』   俺は川下を置いて喫煙ルームを出た   携帯を出して 喫煙ルームから真っ直ぐ突き当たり 非常口となってる重い扉を開ける 螺旋階段の踊り場に出ると同時に電話をかけた   昼休みの終わりに 毎日かけるラブコール もう日常化している   『おはよう圭っ』   明るい声を電話越しに聞くと祐真の笑顔を思い出して頬が緩む   『おはよう祐真 ちゃんと勉強してるか?』   愛しい恋人は六歳年下の大学生 祐真もまた ゆとり世代だ   社会人と学生 年齢的にも色々とギャップはあるが俺は祐真が可愛くて仕方ない   『ちゃんとしてるよ(笑)今日バイト終わったら圭の家いっていい?』   祐真の声に俺は更に頬を緩める   『いいよ おいで』   不定期だが週に2~3回程度の割合で祐真は家に泊まりに来る   俺はその日が楽しみでならない   『じゃバイト終わったら行くね 圭も仕事頑張って』   祐真との電話が終わると俺は大きく背を伸ばした  
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