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あ、あった。
あたしは、5組に自分の名前があるのを見つけた。
真帆みたいに、彼氏の名前を探す作業がなくていいもんだね。
…なんて。
ちょっと寂しかったりする。
あたしだって、中学で彼氏作って、同じ高校行くために頑張って…とか…憧れてなかったわけじゃない。
彼氏と同じ高校行くために頑張ると言って必死だった真帆を見て、すごく羨ましかった。
…あー、もう。今さら何考えてんのよ、真白!
顔をパンっと叩いて暗い気持ちを、押し出す。
そして、真帆に明るく声をかけ……
「真帆ー、あたし5く…」
……ようとした。
あたしは、言葉を途中で止めた。
あたしの横にいたのは、真帆じゃなかったのだ。
かわりにいたのは見ず知らずの男子生徒。
きょろきょろと辺りを見ても知らない顔ばっか。
あいつめ…どこ行きおった…。
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