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…時代をケロン標準暦に起き、ガマ星雲はまさに『時代を先取りした先駆者』としてその足跡を徐々に拡大していた。こと宇宙標準暦653年、ケロン標準暦35年において、当時数少ない固有武力を持つ『モイスチャー人』に対する『抑止力』としての『ケロン軍』の誕生は他の諸惑星に対し、十分な政治的効果をあげることとなる。「遠く、さらに遠く‼」それが人々の合言葉だった。
しかし、全くの弊害が存在しなかった訳ではない。まず敵勢宇宙人の存在があった。特に、宇宙標準暦1528年、ケロン標準暦910年、グリント星域を中心とするスクーデリア惑星郡において勃発した『第三次スクーデリア戦役』に際する敵勢宇宙人『ヴァイパー』の武力進行は他の星域種族を怒りと恐怖にサンドイッチさせた。狼狽しながらも絶望的な反撃に出た種族も存在したが、圧倒的な戦力と総司令『ヴァイパーX3』の卓越した用兵の前に手も足も出なかった。だが、進軍開始から5ヶ月がたとうとしていたころ、宇宙の若輩星である『ケロン』が戦線に参加した。彼らは熱狂的なまでの速度で進軍を開始しはじめた。そして各所で転々と勝利を重ねてゆき、こと宇宙標準暦1633年、惑星『アルテア7』における戦闘で駐留ヴァイパー軍一万七千を敗走せしめると、さすがにヴァイパー軍首脳もしらぬ顔ができなくなった。「『ケロン』とかいう若造を宇宙の塵にすべし」命令は即座に実行に移された。
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