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「軍曹たちに会えば………すべてはっきりわかるよ…」
日向家の構成員二人は、肩を落として、何食わぬ顔で見つめる我が家を見やった。今や、彼ら二人の双肩に地球の命運がかかっているのである。
二つの口から二つのため息が排出されると、二つの目は覚悟を決めた。
「行ってみましょ…あいつらのところへ…」
「ちょっと怖いけど…」
二人は唾を飲み下した。
しかし、その覚悟は突如出現した『恐怖』の具現化により霧散してしまった。
地中から出現したのは、植物らしきものだったが地球産でないことは確かだった。
カマキリとピクミンを混合し、遺伝子操作したかのようなその植物(?)は彼らの決心を試すかのように、異常な正確さで二人に襲いかかった。
再び、ケロン軍のデータを参照する。
『“宇宙戦闘植物ウチュボカズラ”
じっと獲物を待てない気の短い個体が自ら動き狩猟活動できる体質に変化したもの。地球の土壌では成長が早い…』
青年に襲いかかった一匹は、先程623が飛ばした紙飛行機が神風特攻隊よろしく体当たりを敢行したため、哀れにも煙と化し消滅した。
向こう一匹は不幸とは無縁にもう一人を羽交い締めにし、悦に入っている。羽交い締めにされた方は度重なる不本意にうんざりしていたが、やはりそこは年頃の女子であった。
「どうしてこんな目にばっかり~!」
彼女の主張は冷淡な地球人に無視され、地球の大気に虚しく吸い込まれた。否、ただ一人聞きおおせた者がいた。
羽交い締めの執行人は、同胞に死刑を宣告された。間もなくミサイル群が殺到し刑を執行した。彼の身体は原子に還元され、しばらく地球の大気中を放浪することになるだろう。
完全武装の死刑執行人はというと、このとき言語能力までも戦闘能力に割り振っており、ろくに口が聞ける状態ではなかった。
二人はどうやら無事のようである。二人は一対の口で、一対の感謝の意を表したが、赤の侵略宇宙人は彼ら二人を意識野の外に置いていた。どうやら彼の予想は的中したようである。
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