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「………………なん……だと……」
「救ってやると言っているのだ。野垂れ死にたいと思っているなら安らかに寝ると良い、土の中に葬るくらいなら我が埋めてやらんでもない。
だが、生きる事を選ぶのなら貴様を救ってやろう。但し救うのはタダではない、星と契約しとある事をしてもらう事となるがな。さぁ力尽きる前にどちらか選べ」
簡単に言ってくれる。致命傷で生きる意志すら折れた私を、こいつは容易く救ってやると言いやがった。虫の息すらよりも死に掛けている、この私を。
選択を待っている。本人である私がどうしたいのか、死にたいのか、生きたいのか、声の主は選ぶのを待っていた。
どちらかを選んで良いと言うのならば。私は――――私は。
「……死にたくなんか……ない……!」
「契約成立。喜べ人間、君の命は現選択をもって星に生かされる。契約内容は聖域の奪還、及び機能の復元。生かされたその命で使命を果たしてもらおう」
契約は成立したらしい。私は生かされるみたいで、やれなかった聖域の奪還をもう一度命じられて。
「その為の前報酬だ、受け取れ」
頭に触れられたのは恐らく手。そこから何かが――――何か異質な物が、体内を駆け巡って。意識がそこでちゃんと戻り。
頭を上げて声の主を見てみれば。
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