兄が帰ってきた

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食事を終え、僕はテレビの前のクッションの上で横になり始めた。 このままうとうとして、気が付けば転寝をしたまま朝を迎えるというパターンが多かった。 空しいと思う反面、特に予定もないのに外出する気にもなれなかった。 無駄に金を使ってしまって、本当のチャンスが訪れた時にスカピン状態ではつまらない。 でも時々しみじみ思う時がある。 ただ待っているだけで本当に〝チャンス〟なんて来るのかな? そんなことを考えていたら急に睡魔が押し寄せてきた。 ええい、面倒くさい。 このまま寝てしまおう……。 薄れていく意識の中で僕がそんなことを思っていた時だった。 ピンポーン。 突然、部屋のチャイムが鳴った。
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