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「離れちゃったな」
「うん」
「寂し?」
「べっ…」
別に、と言いかけてふと周りを見る。
あと5分で遅刻だからだろうか。
人はもういなかった。
……ちょっとだけ。
僕の頭にあった雪の手にそっと触れる。
「…寂しいよ」
雪は一瞬驚いたような表情を見せ、いつもの笑顔になった。
「俺も。」
だから、と彼は続ける。
「今日はデートして帰ろうか。」
そう言って僕の髪をくしゃっとなでる。
「うん!」
ああ、好き。
大好きだ。
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