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~三途の川・舟着き場~
小町「さぁ、この“三途のタイタニック号”に乗るといい」
朝「うわぁー、いかにもすぐに沈んでしまいそうな舟だな」
小町「何だと!とその前にだ…」
小町は朝と夕の前に手を出した。
朝「この手は何?」
小町「決まっているじゃないか、“お金を払え”っていう意味だ」
朝、夕「え?お金払わないといけないの!?」
小町「そりゃあ、こっちだってタダでやってる仕事じゃないからねぇ~」
朝「へぇー、それって仕事なんだ…ってそうじゃない、俺たち金なんて無いぞ」
小町「?何言ってるんだ?お前さん達の腰にあるじゃないか」
朝、夕「へっ?」
朝と夕は腰を触ってみた。確かに袋があった。中を見ると銭がたくさん入っていた。
夕「いつの間に持ってたんだろう?」
小町「へぇー、こんなに銭があるのは珍しいもんだ。ちなみに、この銭は生前親しくしてきた者がおまえさん達のために使ってきた銭の合計さ。
まぁ、簡単に言えば良い行いをすれば金が増えるっていうわけさ」
夕「なるほど、だから兄さんと比べると僕の方が多いんだね」
朝「否定はしない」
小町「まぁ、さっさと行くぞ」
朝、夕「は~い」
朝と夕は舟に乗った。朝と夕は今まで生きていたことを振り返りながらぼぉーっとしていた『これで終わるんだな……』
と、しかし物語はこれから始まるのだ!
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