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刺された傷は、寸での処で内臓までは達していなかった…… ――…が、抜糸も未だだというのに、夜な夜な彷徨くバカ息子が心配になった晶子さんは、事も有ろうに、 ――瑠一、預かって? と、言い放った。 嫌な予感は的中した。 何で、俺がガキの面倒を?テメェの身ぃ一つ守れねぇ奴を預かれと? (冗談じゃねぇぞ…、逆に、俺が遊べねぇだろっ…) 『晶子さん……申し訳ないのですが「瑠一……?」ハァ…解りました』 晶子さん相手に、断ることが出来た試しは一度もない。 結局、姉の頼みを引き受けた俺は、まだ帰っていないという藍を探しに出かけることにした。
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