コール1:リリス

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目覚めて数分でテンションががた落ちだ。 顎に生えてきた無精髭を触りながら、バスタブへ向かう。 ワイシャツとスラックス、あとボクサーパンツを脱ぎ、洗濯機に投げ入れる。 ヒタリと足裏に伝わるタイルの冷たさに、身体が寒さを訴える。 シャワーのコックを捻れば、勢いよく冷水が噴射された。 「……つめたっ」 頭からモロに被り顔を顰めるが、ずっと被っていれば冷たさに肌が馴れていく。 「……明日から、憂鬱だな」 呟いて、自嘲する。 俺にクライアントを選り好みする権利はない。 自分が作り出したエゴ、偽善的活動。 総ては罪滅ぼしでしかない。 チラリと、記憶の端で揺らめくモノを視た。 .
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