出会い。

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その時に校内ですれ違った、視界の隅に入ったその彼女に俺は一目で恋に落ちた。 小柄な体 ふわふわした茶色の髪 大きな瞳に長い睫 開いた口が塞がらなかった。 「おい、竜。 どうした?」 後ろから駆け寄ってくる友人、工 悠介 が「おはよう」と後付けしながら俺の異変に気付いて声をかける。 「…やべーよ。」 「何が。」 「惚れた」 「ふ。 今の間に?」 「うん。」 「誰によ?」 俺は彼女の後ろ姿に指差した。 「あー あの人知ってるよ。」 「まじか。 詳しく教えろ。」 「ふ。 別にいいけど。 てか、そんな惚れやすい人間だったっけ、お前。」 「…さあ。」 確かにこんな短時間で人に惚れるなんてありえない。 どうしたんだろう。 でも惹かれるところが彼女にあった。 悠介が教えてくれた。 早崎 奏という女性。 全てが俺の好みだった。 こんな経験は初めてだった。
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