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泉的には「飴かよ!」とか、そんな感じに突っ込んでくれるのを半ば期待したが、雄馬はあっさりと、「あ、ありがとうございます」なんて受け取ってしまった。
「お前ツッコミ無しかよ!ていうか、良いのか?そろそろ彼女も……」
大地が外で待っているという雄馬の彼女を気にして始め、泉も、そういえばさっき彼女いるって言ってたな、なんて思い出す。
「多分まだ大丈夫だよ」
雄馬本人はさほど気にしていないらしい。
「雄馬、結婚はしねぇの?」
「しない」
「即答か!泉、これはチャンスだぞ!」
「ほぇあっ?」
矛先からとっくに外れたものだと思って油断していた泉は、突如振られた話題に素っ頓狂な声が出た。
「そうだ、今から外行って宣戦布告してこい!」
「な、何を―――」
「彼女にケーキ投げ付けて、"雄馬くんは渡さない!"って言ってこいよ」
「出来るかっ!」
泉が言い返せば、雄馬は泉が渡したキャンディを指先で弄びながら笑っている。
いやいや、そこ。
笑うだけじゃなくて、冗談でもここは「よせよ」とか言いなって。
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