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ギザミは口から泡を出し、両の鎌は長さが伸びている。目つきも怖くなった気がする。
「キレた?僕は最初から本気なんだけどね…」
スウェルは呼吸を整えるのに努めた。汗が頬を伝わり落ちる。一瞬の気の緩みが死に繋がる。気は抜けない。双剣を構え、ギザミと睨み合った。
次の瞬間、動いたのはギザミだった。両の鎌を地面に平行になるように大きく広げ、勢い良く前進してきた。
甲殻種は単なる蟹などとは違い、前進、後進は容易にできる。
スウェルも駆け出す。真っ向勝負だ。
「それじゃあ、頭ががら空きだよ!!」
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