23人が本棚に入れています
本棚に追加
「…」
ギザミが回るせいで、脚に辿り着かないスウェルは苛立ちを隠せない。舌打ちをするやいなや、頭蓋に覆われたギザミの背中に突っ込んだ。
その時、飛竜種の頭蓋の口から水の閃光が迸る。圧縮されて放水された水は不意を突かれたスウェルの右肩に直撃する。
スウェルの悲鳴が火山内部に響き渡った。吹き飛ばされたスウェルは地面に転がっている。
悲痛な叫びを押し殺して歯を食いしばり、スウェルは立ち上がった。だが、右手に力が入っていない。肩が外れてしまっている。
「…ちくしょう……」
スウェルはポーチからペイントボールを取り出し、左手で投げた。コントロールが定まらなくても、巨大な体躯には当たった。
最初のコメントを投稿しよう!