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そして、勝てないと悟ったのか、出口へ向けて走り出した。
洞窟を抜けると、スウェルは火山の頂上へと向かった。ギザミが追ってきた様子はない。スウェルは走るのをやめ、歩き出した。
それでも、いつ出てくるか分からないので五感は研ぎ澄ましている。とくに、ペイントボールの臭気だけには細心の注意を払っている。
「…強い」
少し歩いた所に、平らな拓けた場所が現れた。そこの岩陰にスウェルは腰を下ろす。
黒煙が黒煙を喰らい、巨大化した黒煙が火山の上空に覆い被さり、陽光は射さず、火口から噴き出す熔岩の紅蓮が辺りを照らしている。
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