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まさか僕が、一番地味な僕が何故あんな事に巻き込まれなきゃいけなかったんだ。
「もみじぃ♪カラオケ行こうぜ」
背の高い、スラッとしたイケメン。さぞかしモテるだろう男子、鏑木 鳴兎(かぶらぎ なりと)。
まぁ仲はいいのだが、何故僕を誘う?
「あっ、ごめん。今日バイト。また誘って」
「そっか、わりぃな。今度行こうな。休み取っとけよ」
僕は嘘をついた。
取り分け忙しい訳でもないのに自然と口は嘘をついた。
笑顔で友達と話す鏑木の背中が妙に淋しく見える。
ごめん、鏑木…。
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