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授業も全て終わり、残りはLHRだけだ。
担任が教室へ来るのを静かに待つ。担任が遅いのは毎回の事、そのくせ騒いでいると反省タイムなんて物を発動する。
だから誰もはしゃがない。
「たく…、おっせぇな。カラオケ行けねぇだろうが!」
苛々して鏑木は激しく貧乏ゆすりをする。
「落ち着け、鳴兎。今はしゃいじまうともっと時間を食うことになる」
鏑木の機嫌取りの、本城。優しいけどキレるとヤバイ鏑木にいつもついて行く金魚のフン。
「わかった」
鏑木は揺らしていた脚を組んだ。
コツコツと独特な革靴の音が近付く。
ガラッと戸が開き、担任が入って来る。
「すまんな、会議が長引いてな。さぁ、HR始めるぞ」
白衣に眼鏡、整髪料でツンツンに立てた髪。僕等の担任、藤井 逞(ふじい たくま)。
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