0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
そこはコンピューター室。日頃立ち入ることさえ無い、調べ物・課題研究にのみ利用する。
まさか、僕が何か不祥事を起こしていて反省文でも書かされるのか?
――覚えがないぞ。
闇に飲み込まれた様に暗い部屋に幾何(いくばく)かの電子機器が光りを放ち、欝すらと人影を映す。
「此処ですか?」
「そうだよ。君以外全員集まってるんだ。窓側の空いてる席があるだろ?そこに座ってくれ」
コードに足が引っ掛かりこけそうになりながらも席に着いた。
それと同時に眼鏡を掛けた男性が――起立!と、声を掛けたので椅子を倒しながら立ち上がった。
視線は一時僕に集中したが直ぐに眼鏡の男性へ切り替わった。
「今日は御集まり頂き有難うございます。予定では今回のミーティングは実施しないものでした。しかし、我々分別屋(イレーザー)に新たなる同士が加入することが決定致しましたので緊急ミーティングという形で実施しました。さぁ同士よ、自己紹介を」
―分別屋?何それ?同士って誰か入るの?
「どうした、緊張しているのか?安心しろ、我々は同士の失敗を笑ったりしない。信頼する仲間だからな」
うん?この人、僕を見てる。同士…、僕の事なんだ。
「あの、同士って僕ですか?何も聞かされてないんですが…」
「何!?逞さん、また何も教えないで加入させたんですか!?」
最初のコメントを投稿しよう!