始まり

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そこはコンピューター室。日頃立ち入ることさえ無い、調べ物・課題研究にのみ利用する。 まさか、僕が何か不祥事を起こしていて反省文でも書かされるのか? ――覚えがないぞ。 闇に飲み込まれた様に暗い部屋に幾何(いくばく)かの電子機器が光りを放ち、欝すらと人影を映す。 「此処ですか?」 「そうだよ。君以外全員集まってるんだ。窓側の空いてる席があるだろ?そこに座ってくれ」 コードに足が引っ掛かりこけそうになりながらも席に着いた。 それと同時に眼鏡を掛けた男性が――起立!と、声を掛けたので椅子を倒しながら立ち上がった。 視線は一時僕に集中したが直ぐに眼鏡の男性へ切り替わった。 「今日は御集まり頂き有難うございます。予定では今回のミーティングは実施しないものでした。しかし、我々分別屋(イレーザー)に新たなる同士が加入することが決定致しましたので緊急ミーティングという形で実施しました。さぁ同士よ、自己紹介を」 ―分別屋?何それ?同士って誰か入るの? 「どうした、緊張しているのか?安心しろ、我々は同士の失敗を笑ったりしない。信頼する仲間だからな」 うん?この人、僕を見てる。同士…、僕の事なんだ。 「あの、同士って僕ですか?何も聞かされてないんですが…」 「何!?逞さん、また何も教えないで加入させたんですか!?」
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