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「てめぇコラァ!!」
「なめんなオラァ!!」
周りのガヤも真っ直ぐ俺めがけて殴りかかってくる。
こぶしを固めたまま向かってくるとか……お話にならないな。
俺じゃなくても誰でも避けられるだろ。力み過ぎだっつーの。
「ほっ」
「よっ!」
「残念ハズレ~」
一人、また一人とこぶしを振りまわしてくるが、すべて空を切る……なんてかっこいい比喩を使うのも気が進まない。
「くっ……あたらねぇー」
「当たれコラァ!」
「避けてんじゃねーよ、腰ぬけが!」
いや、確かに避ける必要のないパンチだけども……。お前ら引くだろ、絶対。微動だにしない俺を見たら。
「ちっくしょーーーー―!!」
◇◇
「「ゼー・・ハー・・ゼー・・」」
10分程攻撃をかわしてきたが、彼らはすでに肩ならず全身で息をしている。身体に悪い事ばっかしているからそうなる。
「「くッ、クソが……」」
膝に手をつきながら俺を睨む男たち。
全員動きが止まった。
燃料切れ。ゲームオーバーだな。
「もうタイムセールの時間だから。じゃあな」
彼らに背を向け、校門へと歩を進める。
さて、今日は卵が安かったな。
あと……牛乳も確か切らしてた。
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