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「待てコラァ!!!」
ゆっくり振り向くと、一番粋がっていた男が手にナイフを握りしめて俺を睨んでいた。
「なめやがって……殺す!!」
よく見ると、周りの奴らも金属バットやら鉄パイプを持っている。
何処から持ってきたんだよ。
飛び道具を持ってる奴は……流石にいないか。持っていた所で結果は同じだけど。
「お前ら……、笑えねえぞ」
「うるせぇ!!ぶっ殺してやる!!!」
コレは意外と……目が本気だ。
このくらいの事でキレるのか?
お前らヒトゴロシの意味わかってやってんのか?
現実を知らない、命の重みも軽さも知らないで。
お前らみたいなのがいるからゲームや漫画が非難されるんだ。
お前らみたいなのが―――
<ガンッツ!!!>
鈍い音と共に、後頭部に激痛が走る。膝が僅かに崩れる。
「……あァ?」
「ハァ……ハァ……」
頭を押さえ、首を回すと、見覚えのある顔が立っていた。
血の滴る金属バットを握りしめて、俺を見下している。
「武ぃ!!遅ぇぞてめぇ!」
「悪ぃ。だがタイミングは良かったみたいだな」
金属バットを下ろし、口元に勝ち誇った笑みを浮かべる男。
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