化け物

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少し傾いた近藤の席を直そうとしたとき、ストラップらしきものが机の横に落ちていた。 これは確か……女子Aが携帯につけていた奴。奇抜な色合いだったから、記憶に残っている。HRが終わったら届けてやるか。 「じゃあみんな~、今日も元気に勉強頑張りましょ~♪」 「「は~い!!」」 HR終了を意味する、謎の儀式が終わった。 昨日女子Bに訊いたら、返事をしているのは、『みもりん’s』と呼ばれる担任のファンクラブに所属する男子達と、一部の女子だけらしいが、この一体感はある意味称賛に値する。人間にもいろんな奴がいるようだ。 席を立ち、ストラップを持って女子Aの肩を叩く。 「ビクッ!」 「え?」 「な、何?」 「……コレ」 ストラップを机の上に置いた。 「あ、あぁ……」 「?」 女子Aは机の上のストラップを慌てて机の中に入れ、俯いていて動かない。微かに震えているように見える。 俺はそのまま自分の席へ戻った。 何だあいつ?昨日と全く態度が違う。明らかに怯えてたな。 俺、なんかしたっけ?? 昨日のアレか?近藤の。 でも昨日の今日だし……。 俺に全く非は無いし、あいつらだって多少打撲はあるかもしれんが、全員腹殴って気絶させただけだ。怪我は無いはずだよな?むしろ怪我したの俺。 ……なんで??
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