化け物

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「――ここは……痛ッッ!?」 頭がガンガンする。 身体中に痛みがある。 口が鉄の味しかしない。 どうやら意識を失っていたようだ。見覚えのない倉庫らしき場所にいる。 数十人の男達が、ビリヤードをしたり、麻雀をしていたりするのが見える。 「起きたかよ。死んだかと思ったぜ」 「近藤……」 地面にうずくまっている俺を見下す近藤。ニヤリと笑い、振り返って叫ぶ。 「ツトムさん!目ぇ覚ましましたぜ!!」 「おぅ!」 ビリヤードのキューを持って、歩いてくる大柄な男。見るからに中学生ではない。 「よう!お前がバカみたいに強えって聞いてよ。……どうだ?俺らのチームに入らねえか?」 「……遠慮する」 「遠慮するこたぁねえ。ただオヤジやらガキやら脅して、金を貰うだけよ。ノルマも大したことはねえ。ノルマさえクリアすれば、あとはてめえの取り分だ」 「いくらお前が強くても、この人数相手に、しかもその怪我だ。断ると……わかってんな?」 近藤……。 加減してやったのに……。 俺はギリッと歯を食いしばる。
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