Another Morning

化け物

「……おっ？」

倉庫を物色していると、カツアゲ被害者のものらしき生徒手帳や、免許証などの身分証が入った箱を見つけた。

ざっと見積もって１００……。

よくもまぁ……、飽きずに御苦労なことだ。

財布と一緒に身分証も奪って、「他言したら殺す」などと脅すのが常套手段だと聞くが、普通すぐに捨てるだろ。

わざわざ証拠を残しておくとは、理解に苦しむ。

「仕返しに来られても面倒だし、警察に電話するか」

――復讐する気がおこればの話だが……。

近藤の携帯をとり、１１０番をコールしたまま携帯を放置して、倉庫を出た。

それから倉庫の近くにあるコンビニのゴミ箱（燃えるごみ）に、数十冊の学生証が入った袋を放り込んだ。

彼らにはもう必要のないものだ。

ほとんどが高校生だったようだが、自分たちの学生証がなくなっている理由は、嫌でも察しがついてしまうだろう。