厚化粧

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<ガラガラ……> 席に着く。 もちろん近藤はいない。 一晩中氷で冷やしたお陰で顔の腫れはひいたが、頭の傷はどうにもならなかった。 頭部の大半が包帯になってしまった。だがやはり周りからの反応は無い。 「先生来るの遅いね?」 「そだね。他のクラスも、まだHR始まってないみたい」 周りがざわつく。 もう15分も過ぎているのに、HRが始まるどころか、担任も来ない。 まぁ……、察しはつくけど。 <ガラッ!> 勢いよくドアが開き、担任が険しい顔で入ってきた。 「……ぉはようございます。遅れてゴメンね。……突然なんですが、これから全校集会を開いて、……その後集団下校になりました。今すぐ体育館に行ってください。これから……ニュースでもやるかもしれないけど……ヒック……」 「「せ、先生!?」」 おいおい……。 泣きだしたぞあの女。 「グスッ……あのね、何人かの生徒が大けがしてて……でも……うぅ……」 「先生わかったよ。もう喋らなくていいよ。俺ら体育館行くから!!」 「無理しないでください先生!!」 みもりん’sの奴らが次々と担任のもとに駆け寄る。担任は顔を抑えて俯いている。 どんな茶番だよ……。
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