48人が本棚に入れています
本棚に追加
<ガラガラ……>
席に着く。
もちろん近藤はいない。
一晩中氷で冷やしたお陰で顔の腫れはひいたが、頭の傷はどうにもならなかった。
頭部の大半が包帯になってしまった。だがやはり周りからの反応は無い。
「先生来るの遅いね?」
「そだね。他のクラスも、まだHR始まってないみたい」
周りがざわつく。
もう15分も過ぎているのに、HRが始まるどころか、担任も来ない。
まぁ……、察しはつくけど。
<ガラッ!>
勢いよくドアが開き、担任が険しい顔で入ってきた。
「……ぉはようございます。遅れてゴメンね。……突然なんですが、これから全校集会を開いて、……その後集団下校になりました。今すぐ体育館に行ってください。これから……ニュースでもやるかもしれないけど……ヒック……」
「「せ、先生!?」」
おいおい……。
泣きだしたぞあの女。
「グスッ……あのね、何人かの生徒が大けがしてて……でも……うぅ……」
「先生わかったよ。もう喋らなくていいよ。俺ら体育館行くから!!」
「無理しないでください先生!!」
みもりん’sの奴らが次々と担任のもとに駆け寄る。担任は顔を抑えて俯いている。
どんな茶番だよ……。
最初のコメントを投稿しよう!