転校生は帰国子女

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「え~y=ax+bの公式に当てはめると―――」 日本の授業。 なんというか、面白みも何もない。教科書の要点の黒板をノートに書き写すだけ。 内容が簡単すぎるからかもしれないが、誰も手を挙げて質問しようとしない。 「わかる人?」と言われても誰も答えない。当てられれば決まって「わかりません」 わかんないなら質問しろよな。 NYとのギャップを感じる。 ただ、先生が横を通ると皆決まって目を伏せる姿は、後ろで見ていてなかなか笑える。 昼休み。 俺の通っていた学校はカフェテリアだったから、給食は初体験だ。 なんて面白い制度だろう。生徒が料理を盛り付けるのか……。薄味で少し物足りないけど、戦時中の配給というやつがコレだろうか? 「ねぇ、有蔵君も一緒に食べよ?」 「ん?あぁ……」 しかも、どうやら仲の良いグループで机をくっつけて食べるらしい。 日本の文化は全く理解できないが、郷に入っては郷に従えだ。 息苦しいが、誘われるままに机をくっつけた。 制服というのも謎だ。見渡す限り同じ服で個性が無い。なぜ服を揃える必要があるのだろう。 ただでさえ東洋人は顔が見分けづらいというのに、皆同じに見える。
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