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「あーひでーな。」
教室の惨状を見回して土方が言った。
「こりゃ掃除しねーとですねぇ。」
沖田の言葉に新八と土方が反応する。
「珍しいですね!沖田さんが掃除なんて。」
「お前もまともなこといえるんだな。」
沖田が掃除用具いれからモップを取り出しながら、
「当たり前じゃねぇですかい土方さん。風紀員の端くれとしてこれくれぇしねぇとでさぁ。」
それに続けて、
「あっ。でっけーゴミ発見。」
土方の頭の上にモップを乗せる沖田。
「小学生かてめぇはぁぁぁ!!!」
土方もモップを取り出し、沖田に殴りかかる。
それに応戦する沖田。
新八は教室を見回した。
生卵が切れたのか、ご飯を投げ始めた神楽とまだまだのり塩が切れることのなそうなキャサリン。
生卵とポテトチップでグチョグチョになった布を抱きしめ、おいおい泣きながら、自身もグチョグチョになり、エリザベスになぐさめられている桂。
廊下では妙が近藤を追いかけている。三角定規だけでなく、コンパスまで投げている。いつの間にか、柳生も参加して、数学の授業でつかうようの三角定規を投げている。
土方と沖田は生卵でヌルヌルの床の上でチャンバラをしている。時々「じゃぁ土方さんが雑巾になって床拭きゃいいじゃないですかい。」「ざけんなよ総悟ぉ!!てめぇを雑巾にしてやらぁぁぁ!!」などと声が聞こえる。
新八が登校してきてから数十分。なんでこんなことになっているか、
「……」
新八にはわからなかった。
ガラッ。
教室のドアが開いた。
新八が時計をみると、チャイムはもうとっくに鳴り終わっている時間になっていた。
「おらー席つけぇ。」
教室が徐々に静かになる。
言わずとしれた銀八先生である。銀八は頭をボリボリとかきながらけだるそうにいった。
「てめーらなぁ…。」
はぁとため息をつきながら教室を見回す銀八。
『あっヤッパリおこられるかな。』
そりゃぁ怒られるだろう。生卵とポテトチップでぐちゃぐちゃで、三角定規の傷がそこら中にある教室をみては、さすがに銀八も怒るだろう。
「教室をなんだとおもってるんですかてめーら。」
「…まいいや。」
静かだった教室がざわつく。
「つーかよぉ。問題はさぁ、俺出てくるまでお前らボケすぎだろ。もうページ残ってねーぞ。」
「いや、たのむからしょっぱなそんなこといわないでくださいよ。」
ひきつった顔で新八がつっこむ。
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