ターニングポイント

6/6
前へ
/10ページ
次へ
「おいしかったーっ」 「…ねぇ璃海」 食べ終わり満足げな笑みを浮かべ ている私をみて笑っていた藍李が 真剣な面持ちで声をかけてきた。 「なに…?」 不安になり私は自然と姿勢を正し おずおずと返事した。 「実は…かっこいい人と知り 合っちゃったっ!」 「…は?」 「ほらかっこいいでしょ?」 その人と一緒に撮ったと言う 写メをみせられた。 これでわかった。 藍李は元気がなかったんじゃない。 この藍李がカッコいいと騒ぐ彼の ことをかんがえていたのだと。 気が抜けた私は思わず笑ってしまった。 「なにわらってんの? かっこいいでしょ?」 「そうだね」 やっぱり藍李は藍李だ。 なにしろ藍李は無類のイケメン 好きなのだから。 「でしょでしょーっ でも璃海には渡さないからね?」 「はいはい(笑)」 「ねぇどうしたら付き合えると思う?」 藍李は本気でこの人のことが 気に入ったらしい。 「そんなこと私に聞かないでよー」 「なんかいいアドバイスしてくれ たっていいじゃんかー」 「アドバイスもなにもいつも みたいにアタックしてみたら いいんじゃない?」 「そうだね!」 あっさりしすぎな答えに拍子抜け した顔した私をみてケラケラと 笑っている。 「あースッキリした。 早く璃海に言いたかったんだっ」 藍李の自由奔放さには呆れる けどなぜか憎めない。 それが藍李のいいとこなんだろうな なんて思っていたらいきなり 藍李が立ち上がった。 「さっスッキリしたところで テレビでもみようよ」 そういって藍李はテレビをつけた。 まさかそれが私の人生を変える ことになるなんておもいもしなかった…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加