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《ゴォォォォォォォォォン…》
耳をつんざくような爆発音。
恐らく飛行機のオイルやらなんやらが爆発したのだろう。ドラマでよくあるパターンだ。
「大和……神楽坂……冬野……謙心……」
僕は爆発した飛行機を見ることも出来ず、ただその場で泣いた……。
《ザッザッザッザッ》
泣き崩れた僕に足音のような音が近付いてきた。
「誰か…生きてるのか?それとも島の先住民の方かな」
確認しようにも体中ボロボロで動けない。呼吸すらままならない。
《ザッザッ………》
近くで足音が止まった。僕に気付いたのかな。
『……お主、あの飛行機の生き残りかぇ?』
老人のような声が僕に話し掛けてきた。しかし呼吸すらままならない僕は軽く頷くしか出来なかった。
『……そぅかぇ…そぅかぇ…お主は』
老人のような声を聞き取るが、意識が無くなってきた。残念だが僕もここまでのようだ。
『……ふむ…よし、お主に決めたぞぃ』
薄れていく意識の中、最期に聞いたのはそんな老人の決心のような言葉だった。
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