『プロローグ』

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8月。 僕ら5人は少し遅めの20歳の成人記念ということで四泊五日の北海道旅行に来ていた。 来ていたといっても今はもう帰りの飛行機の中、あとは離陸を待つだけの状態だ。 「にしても、四泊五日なんて一瞬だったなぁ」 僕の隣の席で呟く男。 短髪でめんどくさがり屋だが手先が器用で、よく悪戯をする。僕らの中のムードメーカーであり、少し…いやかなりの馬鹿。 僕の親友の1人、【黒瀬 大和】(くろせ やまと)だ。 「そうだね、もう少し長く滞在してたかったね」 まぁ僕らは明日からまた大学に行かないといけないからどっちにしても今日帰らないといけないんだけど。 「オレもう北海道に移住しようかな、毎日ジンギスカン食って生きていきたい」 「大和はジンギスカン食べ過ぎだよ。ほぼ毎日食べてたじゃないか」 滞在中の晩御飯について皆で話し合うと、必ずジンギスカンの店に大和が入るもんだから止めるのに苦労した。 「大丈夫大丈夫。オレ食ってもあんま太らないタイプ『おだまり』痛い痛い痛い!!つねるなつねるな!!!」 途中まで話したあたりで大和が苦しみ出した。 犯人は大和の右隣に座っていた女の子だ。 ポニーテールと少しきつい目つき、スラッとしたスタイルと長い脚が特徴。 2人目の親友、【神楽坂 美里】(かぐらざか みさと)だ。
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