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離陸して30分位経っただろうか。
すっかり耳が天空モードになったところで僕は自分が眠っていたことに気付いた。
「いつの間にか寝てたのか……」
辺りを見回すと皆眠っていた。
大和も神楽坂も冬野も謙心も他の乗客も……。
「……もう一回寝るかな」
僕はあまり重くないまぶたを閉じて、意識が飛ぶのを待った。
『―――。』
……ん?
『――。―――――。』
後ろの方で話し声が聞こえる。
他の乗客が起きたのかと思ったが、僕も頃合いに眠くなってきたので目は開けない。
すると足音のような音が近付いてきた。
《コツ……コツ……》
『ふむ、客は全員寝ておるな……当然じゃな。さて、そろそろ例の島に着くのぅ。可哀相じゃがこの飛行機、落とさせてもらうぞぃ』
《コツ……コツ……》
足音は遠ざかっていった。
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