3人が本棚に入れています
本棚に追加
「……正面?」
僕の手がハンドルに触れる前に手が止まった。飛行中の飛行機の操縦室の正面に島が見える……?
《ゴォォォォォォォォォォ》
「あぁ…もうダメなのか」
着陸とかそんなんじゃなくて、この飛行機はとっくに墜落中だったんだ…。
みるみる島が近付いてくる。
もうついに自分の最期を確信した。
「…皆寝てるなんてずるいや…なんで僕だけ起きちゃったんだろ」
死を直前にしても落ち着いていられる自分に感心しながら僕は操縦室を出た。
「…親より早く死ぬっていうのは、あまり気分がいいものじゃないよね」
自分の席に戻る途中、そんな呟きをしてたその時。
《ガガガガガガガガッッ》
機体が地面にたたきつけられる音がする。同時に足元が大きく揺れる…。
座ってない僕は右へ左へたたきつけられ、さらには天井が剥がれ、僕は天井から飛行機の外へ飛ばされた。
「……………………あれ?」
僕の体は宙を舞いながら地面にたたき付けられた。
「……痛っ」
体中に激痛が走る。起き上がることも出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!