天界の姫君

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 ここは天界――……  天使や神々が集う聖なる領域“Heavenly city”その中で最高に位の高い宮殿“天使閣”  そこの宮殿内に彼女は居た。 「えっ、お父様、なんて!?」 「だから、お前の“神使い昇格試験”の日程が決まったんだ」  この天界には大きく分けて、三種類の天使階級がある。  最下位に位置するのが“通常天使”二番目が“聖天使”そして最も高い階級“神使い”――  尊敬する父、ラファエルの命令により一階級の“神使い昇格試験”を受ける事となった。 「ホタル、これはマリア様の命令だ。姫ともあろう者が下級の天使に位置してるとなれば他の奴に示しがつかん」 「だって、試験難しいもの」 「お前の勉強不足だな」 「……酷いわ……毎日毎日、必死で勉強してるのに…… お母様、聞いてよ。 お父様ったら酷いのよ……」 「ふふ。そうね。居眠りだって大事なお勉強の一つですもの」 「お母様までそんな事……」  宮殿にあるだだっ広い庭園。  そこのテーブルに座り優雅に紅茶を啜る、私の両親。  背中に生える白羽根をバタつかせ純白のドレスに身を包んだ私は、両親を涙目で見つめた。
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