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そこは、とある学校のちょいと長くなりそうな、少年のお話。
「やっと終わったか……」
と、この疲れ切った言葉からこのお話は始まる。
このため息と疲れを融合させた言葉を発しているのは俺こと神里幸雄(かみさと ゆきお)だ。
今はやっと一日の学校授業が終わった時である。
学校の授業とは、早く終わるように感じたり、これまた遅く感じることがあるだろう。
その中でも今日は遅く感じる日だった。
朝から風邪気味のせいか、頭がボーッとする時間がいつもよりあり、よりしんどい学校生活に感じられる。
「やっと今日の学校の幕閉めだぜ、幸雄クン~」
と、俺の背中を押し込むように乗っかってくるのは日高碧也(ひだか あおや)だ。
この俺がテンションの上がっている時にはいいノリをする碧也だが、疲れ切った今ではただ鬱陶しいだけのクラスメイト。
「や、やめれ……。今調子悪いんだから……」
「ん? どうかしたか? 夏風邪か?」
「いや、まだまだ夏は先ですぜ……?」
「俺の心はいつも夏だぜ?」
「その年中無休な夏の心境状況を説明されて、俺に何の特があんだよ」
「お前も夏になれよ!」
聞いちゃいねぇ、とまたため息混じりで嘆き、顔を伏せる。そして夢の中に……。
入っていける訳もなかった。
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