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【SHIN】
日本人離れした楽曲をひっ下げ、音楽シーンに乗りこんだ。
男女ともに人気は高く、洋楽に詳しいファン層も多い。
何よりも端正な顔立ちは多くのファンを魅了した。
いつものようにホールライブを終えたSHINは、足早にステージを後にした。美しい顔から出た汗は流れ、革の衣装に染み込んだ。関係者がSHINに挨拶を交わす。
「ふう。」
SHINは軽く溜息をつくと、控え室のドアノブに手を置き、ひねった。
「SHIN!お疲れ様!」
中には美人だが少々派手な女性がいた。どうやら業界人らしい。SHINに向かって手をふっている。
「ねね、来てたのか。」
女…ねねはSHINに近付き、抱き付いてキスをした。SHINの表情は変わらない。
「今日もライブ凄かったわ。」
「そうか?サンキュー。」
抱きつかれた腕をほどき、SHINはテーブルに無造作に置いてあるペットボトルの水に手を伸ばした。
「んもう、そっけないんだからあ。」
ねねは頬をふくらましてSHINに抗議した。
と、不意にドアが開き、男が入ってきた。不安げな顔でSHINに話しかける。
「SHIN君…」
「ん?どうしたの三上マネージャー。」
SHINは水を飲んだまま、視線だけを三上に向けた。ねねが再度抱きついてくる。
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