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「じゃぁなひーちゃん!今度一緒に勉強しようぜ!というか教えて下さい!」
「勉強する気があり、野球の話をしないっていうんなら付き合ってあげるが?」
「野球の話をしなかったら死ぬ!だからそこだけは折れてくれ!」
「考えとくよ」
ひーちゃんとは俺の事。空木 煌(ソラキ ヒカル)だからひーちゃん。
コウとメイ、どっちが先に呼んだかは覚えてないけど、いつの間にかこう呼ばれるのが普通になった。
その二人からしかひーちゃんとは呼ばれない。後の奴らは苗字か足長と呼んでくる。苗字はいいが足長なんて全く嬉しくない。
学校から出て俺はいつも通り家路につく。コウとは家が逆方向なので登下校はいつも一人だ。
そして家に帰っても一人。俺は家の事を一人でし、一人でご飯を食べ、一人で掃除や洗濯をし、一人で寝て起きる生活をしている。
家事は嫌いではないので今のところ問題ないが、そろそろ料理のバリエーションを増やすために料理本を買おうかと考えているところだ。
住んでいるのは高校生の一人暮らしという事もあり、実に質素。木造で築何年かも分からないが、俺が本気を出せば素手で壊せそうな二階建てアパートだ。
住めば都というが、ここは都ではない。断言する。
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