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「まぁまず状況整理をしよう。天井よ、お前はそんなに背が高かったのか?」
ここのアパートは多分だが一階も二階も同じ部屋の構造になっているのだろう。
入ってすぐ右にトイレ、その隣がお風呂。左はキッチンスペース。そして奥が5畳くらいの部屋となっている。
繰り返し言うつもりはないのだが、俺は綺麗好きで部屋は清潔に保っている。
なのに奥の部屋がどう考えてもおかしいのだ。
何がおかしいか教えよう。まず扉が倒れている。
障子のような作りの扉で横にスライドして開けるタイプなのだが、それが見事に玄関側に倒れていて部屋がのぞけるのだ。
その状況だけを聞かされたら空き巣にあったのではないか、と思う人もいるだろう。
だが違う。空き巣は物を盗るはず。なのにこの空き巣はむしろ物を増やしているのだ。
この事から空き巣ではないという事が確定した。そして次に注目すべきは天井だ。
そこにあるはずの部屋の天井が、なぜかとても高いところにある。何とも不思議な光景だ。思わず笑ってしまうそうになる。
けれどお生憎様。俺は滅多に笑わないのだよ。というか、笑えないのだ。何故か。心から楽しいと思えたことがないからだろうか。
脱線ばかりしていては話が終わらない。つまり簡潔に言うと
上の階が落ちてきた。と思って貰って間違いないだろう。
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