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俺も上雲と話したことはないが、気難しい奴だというのは知っている。
以前女子が上雲に話しかけ、帰ってくる時にこんな会話をしていた。
『だから言ったじゃん。あいつに話しかけても冷たくされるだけだって』
『もう本当あいつ嫌!あんなんだから友達出来ないし誰からも話しかけられないのよ!暗いし!私のどこが化粧濃いいっていうのよ!』
実際俺から見てもそいつの化粧は濃かったが、そいつは女子の番みたいなもので、そいつの機嫌を損ねると少々面倒なので誰も逆らえないのだ。
なのに上雲は平気で逆らい、そして吊るしあげをくらうようになった。本人は全く動じてないようだったが。
中学からの友人であるメイは今でも仲がいいらしい。その裏表のないバカさ故に他の女子とも仲がいい。
と、あまりバカにしないでおこう。後が恐い。
しかし、俺は上雲にそこまでマイナスなイメージを持っていない。むしろプラスなくらいだ。
理由は単純で、利用されることが多い俺は、よく掃除当番頼まれることが多い。
絶対に同じ掃除当番の奴らは俺に任せて逃げるのだ。
だが上雲は違う。掃除が終わるまで一緒にしてくれる。そして終わったら帰る。
一見すると当たり前なのだが、俺にとっては違う。
俺の中では良い人として認定されているのだ。上雲からすれば俺なんて興味を示す対象ではないだろうが、俺はそうではない。
親友・コウ、その幼馴染メイ。そしてその友達上雲が名前を覚えるに値するクラスメイトだと言える。
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