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五月病
無気力、という言葉が一番しっくりくる。
倦怠感。全身に、まんべんなく重りを吊るされているような感覚。太陽がじりじりと肌を焦がし、汗で下着もぐっしょりだ。しかし別段体調を崩しているわけではないから、これが自分の精神的な部分から来る症状なんだということはわかっていた。
町へ出れば、人がいる。どこかの店舗に入ればもちろん、国道沿いの道を歩いていても、あちこちに。エアコンの涼しい風だの、町中で流れる流行りの音楽だのには、まるで魅力を感じなかった。
そんなものよりもとにかく、人のいない場所へ行きたかった。誰とも付き合わず、何も考える必要のない場所へ。
そうして僕が行き着いたのは、古びた小さな公園だった。
そこは、自宅からさほど遠くもない住宅地の隅。最近の僕の行きつけの場所であり、お気に入りの場所でもある。
僕は、もはや蝶番が錆びて取れかかった門をくぐって、その公園へと足を踏み入れた。
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