五月病

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 あの雨の日以来、少年が公園に現れることはなくなった。  そして、僕が公園に来ることも、次第になくなっていった。  僕の不登校の原因は、親への反抗心だった。最初は親と意見を対立させ、真っ向から口論をしていた。途中からわけがわからなくなって、多分、不登校という形で親を困らせてやろうと思ったのかもしれない。  でもいつの間にか、なんだかそれも馬鹿らしくなってきて、ある時ふと学校に行ってみた。担任教師は上辺だけ喜んで、クラスメイトは奇異の視線を向けてきた。だけど、別段誰かにちょっかいを出されることもなく、それなりに平穏に暮らせた。  親にはとりあえず謝った。まだの進路については決まっていないけど、もう少し自分で考える時間をください、と。  息子の不登校の原因が、自分達にもあると思っていたのだろうか。両親は思っていたよりもすんなり、了承してくれた。  健全な高校生活を送れているとは、全然思ってない。こんなのはただの一時のことで、いずれまた僕は不登校に陥るかもしれない。  だけど、なんだかんだで僕は学校へ行くようになり、なんだかんだであの少年との“やくそく”を果たしたことになったのだった。
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