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鳴り止まない拍手の中で、噴水の池の縁に座り、照れ臭そうに笑う女性。
彼女が、今歌を歌っていた人物であり、パルナ村に来た珍しい客である。
「さっすがウーシェの歌だ」
「ありがとう、でもまだ見習いだし」
「謙遜しなくていいのよー、上手だったわー」
しばらく、村民からのおだてに女性は頭を撫でながら照れていたが、やがて人山は散り、入れ違いに集まってきた子供達と広場の出店を回る事になった。
「お姉ちゃん、ウーシェってなぁに?」
一人の女の子が冷製スープを両手に持って尋ねる。
「ウーシェっていうのは、吟遊詩人が使う名前なの」
「ぎんゆーしじん?」
「私みたいに色んな場所で歌を歌う人の事よ」
女性は女の子と同じ冷製スープを飲みながらにこやかに説明する。
女性の語る様々な地域の話に、村以外を知らない子供達は目を輝かせていた。
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